第1回「仙台堀川公園を考える会」勉強会を開催

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仙台堀川公園を考える会は、より多く方に仙台堀川公園の素晴らしさを知っていただこうと、

月1回のペースで、各分野の専門家の方にご教授をいただく、勉強会の開催を考えました。

今回はその第1回として、仙台堀川の野鳥について、NPOネイチャーリーダー江東鳥類調査担当の荒川洋一氏を迎えて、これまで50年以上にわたって鳥類調査を行ってきた経験、仙台堀川公園でも2012年から延べ200日近い調査を行っており、これらに基づき、特に整備計画の対象地域の野鳥について、その種類や暮らしぶり、整備計画の実施で考えられる問題などについてお話いただきました。

荒川氏は、「仙台堀川公園と野鳥 ~整備計画を考える~」と題し、鳥類調査の概要を紹介、仙堀ではラインセンサス方式で、仙台堀川公園を12区に分け、毎回、同じ調査経路を同じスピードで歩くなど、同じ条件で記録し続けてきたとした。

今回の整備計画は、荒川氏の1~3区に該当し、特に2・3区は仙台堀川公園の鳥類にとってとても重要な場所で、総延長3.7㎞に及ぶ公園だが、「鳥の島」がある9区を除くと、もっとも重要な場所であるとした。

これは、公園全体の中でも陸鳥の種類が最も多く、カルガモの繁殖も鳥の島の9区とほぼ並び半数が2区であり、埋め立てられようとしている仙台堀川の必要性を示唆。これまで、下町では繁殖例がなかった猛禽類・鷹のツミについても今後が楽しみと話した。

具体的に2区は、仙台堀川公園全体の中でも、キジバト、コゲラ、オナガ、ヒヨドリがほぼ毎年、トップの出現率で、キジバトやコゲラ、オナガは整備区域内で繁殖もしていると考えられているが、オナガについては、昨年の剪定で激減したとした。そのほか、ドバト、ハシブトガラス、ムクドリ、スズメも仙台堀川公園のなかでトップクラスの出現率で、主に林の鳥で、繁殖していることが重要とした。

さらに、仙台堀川公園は完全に人工的につくられた空間だが、1年間で40種類の鳥がみられる。若干調査範囲が異なるが、ネット上に2007年から2011年までの仙台堀川公園の鳥類調査情報を公開されている方がおり、これと比較すると、かつては、オオバンはみられなかったが見られるようになり、逆にスズガモ、ホオジロガモは私の調査では一度もみられない、といった傾向も見えてくる。

仙台堀川公園のいいところは、これだけ密な林が周辺にはなく、しかも、広場や池、さまざまなバリエーションがあり、線形で狭いながらもある程度の幅があることだ。浅いところで昼間に魚を捕まえるアオサギ、夜行性のゴイサギ、深いところでもぐって捕るカワウ、冬になるとやってくるユリカモメ。スズメがいるから、それを捕ることができるツミ、日向ぼっこや水浴びができるから、スズメやムクドリも過ごしやすい場所になっている。

江東区は、関東大震災、第二次世界大戦で、二度にわたりほとんどの緑を焼失した。実際に仙台堀川として輸送に利用されていた当時は周囲には大きな木はまったくなく、緑自体ほとんどなかった。

私は日本橋に勤めており、鳥がいれば空でも地面でも反射的に存在が分かるが、日本橋では上空にカラスやカモメが飛ぶ程度で、スズメさえいない環境だった。しかし、近くのデーパート屋上が緑化されており、ここにメジロやハクセキレイが来ており、隅田川まで続くサクラ並木、そのほかイチョウ並木や皇居まで続く並木など、街路樹程度でも限られた生きものはたどっていけることがわかった。

そして、自然が多様であればあるほどいろいろな生きもの、広ければ広いほどより多くの生きものが生きられる。

 

仙台堀川は、地盤沈下に伴い天井川となり、輸送に利用されなくなった後は、危険もあり、なんとかしなければと埋め立てられたことと思うが、ここを公園にした当時の方々の大英断だったと思う。ここがこうした公園になっていなかったら、鳥はいない。鳥がいるということは、他の生きものもいるということだ。

 

核になる公園の自然が壊れると、周辺の小さな自然にも影響がでる。江東区役所の前庭は小さいが、コゲラ、ウグイスもくる。これは生態系の回廊になっているからだ。横十間川があり、仙台堀川につながっているから、こうした小さな緑の空間にもこうした鳥がやってくる。

限られた時間で多くは話せないが、仙台堀川公園には「科学の森」があり、そこにはこう書かれている。

素敵な文章なので、全文読み上げる。

 

・・・ 昔の人たちは、木の名前をよく知っていました。

なぜかというと、人々が生活していく上で木が必要だったからです。

毎日のたき木は、近くの山から切り出しました。しかし、どの木も良いたき木にはなりません。

たき木や炭にするのに、カシやシイの仲間が、すぐれた木だということを知っていなければなりません。

灯りは、カヤやマツの油を使いました。その他、建築材として、食料として、紙や布の原料として、また、病気になったときの薬として、日常の生活で、木と仲よくする必要がありました。

今でも、私たちは木にとりかこまれ、それを利用して生活しています。けれども、昔の人たちのように、だれもが実用のために、それらを知っている必要はなくなりました。

しかし、人々がうるおいのある生活をしていくためには、木のことを知っていたほうが良いでしょう。

この科学の森では、そのほんの一部を紹介しています。昔の子どもたちが父母や祖父母から木の名を教わったように、この区民の森を利用してください。 ・・・ 江東区役所

そして最後に、

ほんの30年ほど前まで、江東区役所の人たちは自然の大切さをよく知っていました。だから、この公園を造り、木々を育ててきました。

その結果、私たちは、この区民の森に憩い、やすらぎや、自然との共生の素晴らしさを楽しんでいます。

今 区役所が、整備計画を考えるのであれば、もう一度この公園の意義を見つめなおし、もっと素晴らしい公園にする方向で考えてほしいと思います。

と述べ、短い時間にこれまでの膨大な調査や豊富な経験と知見を交えながら、整備計画を見直す上で大変参考になる貴重なお話を戴きました。

その後、さらに質疑応答を行い、会場では多くのことを学ぶことができました。

 

 

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